電子契約の法的有効性に関する当社の方針

制定日: 2025年4月1日 最終更新日: 2026年4月16日

本文書は、QuickSign(以下「本サービス」)における電子契約の法的有効性について、関連法令に基づく当社の見解と対応方針を説明するものです。本サービスの利用を検討されるお客様が、電子契約の法的位置づけを正しく理解されることを目的としています。

1. 電子契約の法的有効性について

日本法において、契約は当事者の合意のみで成立します(諾成契約の原則)。民法第522条第2項は以下のとおり定めています。

「契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。」

したがって、法令に特別の定めがある場合を除き、電子的な方法で締結された契約も紙の契約書と同等の法的効力を有します。重要なのは、合意の内容および成立過程を適切に証明できることです。

民法第522条(e-Gov法令検索)

2. 電子署名法における要件

電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第3条は、電子署名が付された電磁的記録について、真正に成立したものと推定する効果を定めています。この推定効を得るためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

要件内容
本人性電子署名が本人(署名者)の意思に基づいて行われたこと
非改ざん性電子署名が付された後に、当該電磁的記録が改変されていないこと
電子署名及び認証業務に関する法律(e-Gov法令検索)

3. QuickSignの電子署名の仕組み(立会人型)

本サービスは「立会人型電子署名」を採用しています。これは、契約当事者双方の合意操作を確認した上で、サービス提供事業者(QuickSign)が立会人として電子署名を付与する方式です。

令和2年9月4日に総務省・法務省・経済産業省が公表したQ&A(いわゆる「3省Q&A」)において、利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う方式であっても、一定の要件を満たせば電子署名法第2条第1項に定める電子署名に該当しうることが確認されています。

QuickSignにおける署名プロセス

  1. 送信者が契約書PDFをアップロードし、署名者を指定
  2. 署名者に対し、固有のセキュアリンクを含むメールを送信
  3. 署名者がメール認証およびOTP認証を経て本人確認を完了
  4. 署名者が契約内容を確認し、署名操作を実行
  5. QuickSignが立会人としてPKCS#7形式の電子署名をPDFに付与
  6. 全操作を監査証跡として記録・保全

4. 証拠性の確保

本サービスでは、電子契約の成立過程を立証するために、以下の情報を監査証跡(Audit Trail)として自動的に記録・保全しています。

記録項目目的
署名者のメールアドレス署名者の特定
署名日時(サーバー時刻)合意時点の証明
署名者のIPアドレスアクセス元の特定
署名者のUser-Agent利用環境の記録
OTP認証の実施記録本人確認の証拠
契約書PDFのSHA-256ハッシュ値文書の同一性証明

5. 契約内容の完全性(非改ざん性)

署名済みの契約書PDFは、署名完了時にSHA-256ハッシュ値を算出し記録しています。加えて、監査証跡の各レコードにもSHA-256ハッシュ値を付与し、前のレコードのハッシュを次のレコードに連鎖させるハッシュチェーン構造を採用しています。これにより、契約書または監査証跡に対する事後的な改変を技術的に検知することが可能です。

6. タイムスタンプの位置づけ

認定タイムスタンプ(総務大臣認定のタイムスタンプ局によるRFC 3161準拠のタイムスタンプ)は、電子データが特定の時刻に存在し改ざんされていないことを第三者が証明する仕組みです。電子署名法においてタイムスタンプは必須要件ではなく、タイムスタンプの有無は契約の法的効力に直接影響しません。本サービスでは現在、内部的なSHA-256ハッシュチェーンによる改ざん検知機能を提供しており、認定タイムスタンプの付与機能は今後のアップデートで対応予定です。

7. 電子契約が適さないケース

以下に該当する契約書は、法令上の制約や業界慣行により、本サービスでの電子契約が適さない場合があります。

  • 法令により書面(紙)での作成が義務付けられている契約書
  • 官公庁・自治体が指定する電子署名方式(GPKI等)が必要な契約書
  • 業界固有の認証基盤(金融機関、医療機関等)が求められる契約書
  • 公正証書の作成が法律上義務付けられている契約書

詳細は電子契約の適用範囲ページをご確認ください。

8. 当社の基本方針

  • 電子署名法および関連法令に沿った電子署名の仕組みを提供し、その法的有効性を継続的に維持します。
  • 契約の成立過程に関する十分な証拠情報を記録・保全し、お客様が必要な時に参照・出力できる状態を維持します。
  • 法令改正や判例の動向を注視し、必要に応じて本サービスの仕組みおよび本方針を更新します。

免責事項

本文書は、電子契約の法的有効性に関する当社の見解と対応方針を説明するものであり、法的助言を構成するものではありません。個別の契約に関する法的判断については、弁護士等の専門家にご相談ください。本文書の内容は、法令改正その他の事情により予告なく変更される場合があります。